「ついにこの時が来た!」と思った。
呼吸の家をオープンしたのが去年の6月。
知人だけでなく、ブログやツイッターで僕を知っている人が月に数名来てくれた10ヶ月だった。
一人一人をとにかく丁寧におもてなししていこう。
その結果、少しずつ育ってくれればいい。
そう思ってやってきた。
正直なところ、週に2名くらいの人が来てくれればいいし、呼吸の家がどんなところかしっかりイメージできている人が来てくれたほうが僕もお客さんも良い時間を過ごせるので急ぐ気はなかった。
オープンして半年間は知人やもともと僕を知っているひとがポツポツ来てくれた。
アクセスは悪くはないのだけど、ヒョイと気軽に行けるような場所にはない。
「よし、行くか!」と少し気合を入れないと行動しづらい場所にあるのだと思う。
だから、「行ってみたいなー」「行こうかなー」と思っていてもなかなか行けないでいる。
来てくれた人に話を聞いてみるとそんな感じが続くらしい。
ちょっとしたきっかけがあれば「よし行こう!」という感じになるそうだ。
- 急にぽかっと時間が空いた。
- 東京方面に行く用事ができた。
- 最近体調がすぐれないけど、なんともならず困ってしまった。
そんな時に「あ、イカさんのところ行ってみるか」と思うらしい。
そんな感じでお客様をオープンして半年の間お迎えしていたけど、今年に入ってペースがガクッと落ちた。
「行ってみようかなぁ」と思っていた人たちの大半はもう来たのだと思った。
なので、今年に入ってからは近くに住んでいる知人がネット経由ではなく直接連絡をくれて、月に2人くらいお迎えする感じになっていた。
退屈ではないけど、暇な日々であった。
暇すぎてウクレレの練習や韓国語の勉強を始めてしまったほどである。
こうやってあたらしい世界が開けるのが暇であることのメリットだと思う。
ところが今週ついにその流れが変わった。
呼吸の家の公式サイトを見つけたお客さま、純粋に公式サイトだけで呼吸の家を知ったお客さまが来たのだ。
3ヶ月前にグーグルマップを見て来てくれたカップルにも驚いたが、今回はもっと驚いたし嬉しかった。
「ホームページ作ってよかった!」と心から思った。
そして何より、グーグルマップにレビュー投稿してくれたみんなに「ありがとう!」と思った。
来てくれたのは東京の大田区に住んでいる女性だった。
どうして来てくれたのか聞いたらメールでくわしく教えてくれた。
先日適応障害の診断を受けたんです。
会社の仕事のほかに副業もやっていて忙しくてストレスが溜まってしまい、飲酒や食も増えて、体重も大幅に増加してしまいました。
そういったストレスを解放するのに瞑想がいいというのは知っていたのですが、なかなか続けられませんでした。
YouTubeで瞑想の仕方を見ても、イマイチしっくりきませんでした。
来週から仕事を1週間休むのですが、思い切って瞑想サロンに行ってみたいと思いました。
都内ではなく、自然があるところがいいなと。
海の近くで探していて、神奈川じゃないなぁ…と千葉で探したところ、イカさんのサイトを見つけました。
東京から行くのでかなり遠いですが、それでも行ってみたいと思った気持ちを大事にしようと、迷いなく、予約させていただきました!
こんなにしっかり書いてくれるなんて。
期待にそえるようにお迎えしようと思った。
そしておととい、その日がきた。
東京から高速バスで木更津まで来て、そこから内房線で浜金谷駅へ。
「電車が全然進まずいちいち止まるんで『これで合ってるのかな?』と思いました」
そう言って笑顔で声をかけてくれた。
時刻は8時15分。
8時19分の電車に乗ってくるとばかり思っていたのに、駅の外で声をかけられてびっくりした。
なんと7時半にはこちらに到着し、ブラブラしていたそう。
きっと4時起床の5時出発くらいだったはずだ。
普段は7時に起きると言っていたので眠かったに違いない。
ありがたいな〜と思った。
せっかく海の近くがいいと選んでくれたので、まずはお散歩。
駅のそばの海浜公園で海をながめた。
波の穏やかな日で朝の光がきれいだった。
すぐ横に見える鋸山もきれいだったなー。
そして呼吸の家に到着。
まずはお茶をいれておしゃべり。
普段はお昼に海女さんのお迎えに行かないといけないから、午前の部は8:30 – 11:00、2時間半という時間の制約があるのだけど、この日は火曜日だったので海女さんの漁はお休み。
時間を気にせずのんびりと過ごすことができた。
時間を気にせずのんびり過ごしたい人は海女さんの漁がお休みの日を狙うのをおすすめする。
だいたい毎週火曜日が漁の休みだ。
瞑想に興味があるということなので、僕が瞑想に出会うまでにどんなふうに生きていたか、瞑想に出会ったあとどんなふうに変わっていったかを中心に話した。
「僕の話ばっかりで大丈夫ですか?」
と言ったら「大丈夫です、おもしろいです」と言ってくれたのでホッとした。
話が終わったら呼吸ほぐし開始。
まずは金魚運動器でインスタントに瞑想状態を体験してもらい、呼吸を使ったマッサージやストレッチで体をゆるめてもらった。
首・肩・背中・脇の下をゆるめてもらいながら、呼吸が体に与える影響を体感してもらう。
上半身が終わったら腰回りへ。
昔から腰痛があるということだったので、呼吸と熱で緊張した筋肉がゆるむということ、緊張が緩んで痛みが和らぐことを知ってもらった。
直接皮膚をさすって体液を動かし、熱を上げると痛みが和らぐことも伝え、家に帰ってからもやってみてねとお話しした。
2時間かけてしっかり緩めてもらったので、お昼は簡単に玄米の味噌おじやを作って食べた。
「呼吸が楽になったのでおいしいです!」と元気に召し上がっていた。
お腹が満たされたので腹ごなしに鋸山へ。
15分ほど登ったところに小さな展望台がある。
階段が500段くらいあるのでちょっと息が切れるけど、話しながら登れば楽しい。
山から戻ったら金魚運動器に揺られながらのお昼寝。
ほどよい疲れと満腹感もあって、気持ちよさそうに寝ていた。
20分ほどでお目覚め。表情がスッキリしていた。
ここまでくれば瞑想の準備はばっちりだ。
YouTubeを見ても全然うまくいかなかったという瞑想。
雑念まみれで全然集中できなかったという瞑想。
でも体の状態が楽になっていればとっても簡単に潜っていける。
呼吸が楽になる姿勢で座り、目を閉じてもらったら、僕のインストラクションの声を聞きながら瞑想を深めていく。
20分ほどやったが、終わった時の放心したような笑顔が素敵だった。
僕が呼吸の家に来てもらって体験してもらいたいのは「自分はこういう状態になれるんだな」ということ。
こんな環境でこんなふうに過ごせばこんなに楽になるんだなという体験だ。
一度そういう体験をしていれば、日常を見る目が変わってくる。
より良い環境を作ろうと、帰ってから断捨離をした人もいたし、最近では覚えて帰った呼吸ほぐしと瞑想を続けて、それまで毎月通っていた整体院に行かなくなったという報告ももらった。
https://maps.app.goo.gl/zc4ctNycFdHy1WXL8
瞑想を習慣化しようにも、瞑想体験がないと「これで合っているのかな?」「これを続ける意味があるのかな?」と迷ってしまう。
でも瞑想体験があれば「とりあえずあの状態を目指せばいいんだな」となる。
暗中模索せずに、目標に向かっていくことができる。
闇の中でどこに向かっていいのかわからずにいるよりも、目的地が見えて歩くほうが安心感がある。
そのほうが道のりも楽しくスムーズだと思う。
大田区にお住まいなので、
「帰りはフェリーがおすすめですよ」
「船の上でのんびりした時間を過ごせるし、電車も登りなので混みません」
と言ったら「そのつもりでした」とさすがだった。
計画上手。
フェリーは通常は1時間に1本あるのだけど、この日は2時間に1本の日だった。
待ち時間が1時間以上できたので、フェリー乗り場の近くにあるコーヒーの名店「cafe edomons」へ。
巨大な古民家に並ぶアンティークたち。
重厚かつ静かな空間で美味しいコーヒーとバームクーヘンをいただいた。
会員制なので、行きたい人は誘ってほしい。
フェリー乗り場でお別れするときは名残り惜しかった。
なにせ記念すべきお客さまだ。
お別れしたあとフェリー乗り場を背に歩きながら見る鋸山がいつも以上に雄大に見えた。
純粋に公式サイトを見て来てくれたお客さまとの1日はこんな感じだった。
最後まで読んでくださってありがとうごさいます。
この長いブログを最後まで読むのもレアだし、そもそもこのサイトに出会うことも相当なレアなことだと思います。
きっとこれも何かの縁。
呼吸の家に訪れるきっかけにこの記事がなればいいなと思います。
Tさん、この度は遠くからお越しくださってありがとうございました。
またぜひ来てください😁